生涯教育の下水道

 水運式を前提とする限り流集の方法と処理と処分の方法がある。計画量として、通例、雨水は汚水に比べて2桁ほど大きく、降雨特性をふまえると最上流域での遅滞現象の促進システムの開発は有効である。我が国の江戸時代までの河川の霞堤方式の合理さは、降雨特性に的確な対応をしていた、驚くばかりの智慧があったことを知る。
 汚水の系統は質の問題も大きい。公共下水道に受け入れられる法律基準がある。施設、微生物、汚泥に対して総合的に決められている。また、汚水の問題は人為的なものであるだけに、個人の倫理観もさることながら、企業の倫理観に左右される特性を有する。構造としては、管きょ材料を始め、埋設深に加えて最上流端の決め方の他に、欧米の街区や地盤条件に適した構造基準をそのまま適用するのではなく、既存施設の欠点を改良し、管理容易化を目指し結果的に建設も容易になれば、事業費の低減にもつながることが多い。例えば、サイフォンの欠点を解消するためのポンプ付サイフォンを計画の中に入れるだけで、建設も管理も大幅に容易化につながる。また、円型ポンプ場で渦流式集砂法を採用し、徐砂施設に混気ジェットを用するなど、手段としての道具が多様化してくると計画論そのものにも拡がりと深まりが出て来ることは言うまでもない。また、小さい問題の様に思われるが維持管理がやっかいなものにマンホールがある。位置の問題もさることながら、私人が容易に開閉出来ないような構造の開発など、我が国における課題は多い。
 汚水処理により生じた固液は、それぞれがもつ特性に応じて活用されることが望ましいが、水は他の資源と異なり、適切な処理により繰り返し利用出来る特性があるので、本来のありかたとしては、受けた水を元の姿にして戻すことである。特に、地方の中小都市においては社会的清浄さとしての疫学的見地からは勿論のこと、住民感情的見地からの最低条件をも十分満足しながら、人間的側面から見ても嫌悪施設でなく、誰もが容易に管理出来るような施設構造、すなわち、自由度が多く高級と言われる便利な自動車より若干不便さがあっても電車型を選択すべきであり、工学として維持を含めた最小の経費で最大の効果を実現するのが、公共施設の技術なのである。特にドライトイレの問題など次世代の最大問題であろう。また、現在の公共下水道の大型のものはすべて最初沈殿池を設けて最大の欠点、すなわち、その汚泥の臭気に悩まされているのが実体なのである。そして、反応槽内においては、合流式に比べて分流式は過ばっ気になり汚泥の浮上が生じるなど、施設上の欠陥だと思われるのであるが、一向に修正されることはない。

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200901

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